マンション購入と猫のいる暮らしが始まる
マンションを購入したのは、ちょうど昨年の秋でした。
妻と何度もモデルルームを見に行き、ローンの相談を重ね、ようやく決めた一軒です。
鍵を受け取った瞬間、「これから先の十数年、この家で暮らしていくんだ」と実感し、うれしさと同時に小さな緊張も感じました。
さらにそのタイミングで、猫を迎えることも決めていました。
ふたり暮らしの僕たちにとって、初めてのペットです。
生活が少しずつ変わっていくことにワクワクする一方で、「お金の使い方を今までのままでいいのだろうか」という不安もありました。
住宅ローン、固定資産税、保険、そして猫の医療費やフード代。
どれもこれからの暮らしに欠かせない支出です。
このあたりで一度、家計を“ちゃんと整える”必要があると感じました。
「なんとなく管理」からの脱却
それまでも、家計をまったく放置していたわけではありません。
マネーフォワードのアプリを連携して、口座やクレジットカードの動きは確認していました。
ただ、アプリで見えるのは「いくら使ったか」だけで、「これからいくら使っていいか」という視点が欠けていました。
いわば、“振り返り”だけの管理。
実際の生活では、「まぁ今月もなんとかなるだろう」という感覚が残ったままでした。
貯金額も増えていく実感がなく、ボーナスで帳尻を合わせるような形が続いていました。
マンションを買い、猫を迎えるとなると、もう「なんとなく」では済まされません。
毎月の支出を明確にし、将来の出費も見通したうえで、お金を動かす必要があります。
そう思ったとき、ふと頭に浮かんだのが「スプレッドシートで作ってみよう」というアイデアでした。
アプリでは足りなかった“計画性”の部分
僕は仕事でGoogleスプレッドシートを毎日のように使っています。
だから、関数を組んだり、表を整えたりする作業は得意なほうです。
アプリのように自動で集計してくれる便利さはありませんが、「自分の考え方に合わせて作り込める」自由度がある。
そこがスプレッドシートの強みだと思いました。
「使った金額を記録する」ではなく、「どう使うかを設計する」。
そんな家計管理を、自分の手で作り上げてみよう。
そう決めたのが、僕の“スプレッドシート家計簿”のはじまりでした。
Googleスプレッドシートを選んだ理由
家計管理を始めるにあたって、最初に決めたのは「アプリではなく、スプレッドシートで作る」ということでした。
理由はシンプルで、仕事でも毎日のように使っているツールだからです。
関数を組むことにも慣れているし、セルを思いどおりにレイアウトできる自由度がある。
「自分の生活の形に合わせた家計簿をつくりたい」という気持ちに、スプレッドシートはちょうど合っていました。
家計簿アプリのように自動でデータが取り込まれるわけではありませんが、その分、数字の意味をひとつひとつ考えながら入力することになります。
面倒なようでいて、実はそれが“お金の感覚を取り戻す時間”になりました。
完全自己流の家計管理シートづくり
テンプレートやYouTubeの解説動画は一切見ず、完全に自己流で設計しました。
最初に大まかな枠を決めたのは、「固定費」「変動費」「貯金(使う予定があるもの)」「貯金(資産形成)」の4つです。
実際に入力している項目は次のような内容です。
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固定費:家賃、食費、夫婦それぞれの小遣い、通信費(楽天モバイル、iPhone分割金、ネット)、サブスク(日用品費・Spotify・マネーフォワードなど)
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変動費:電気代、ガス代、水道代、猫の費用
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貯金(使用予定あり):交通費貯金、帰省費・固定資産税用貯金、家族共用費、クリニックフォア(AGA治療費)
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貯金(純粋な積立):純粋貯金、401K、はぐくみ、つみたてNISA
最初は関数の組み方を試行錯誤しながら、何度もシートを作り直しました。
カテゴリごとの合計を自動で集計するようにし、毎月の収支がひと目でわかるように。
入力を間違えてもすぐ確認できるよう、月ごとにタブを分けて運用しています。
毎月のルーティン化
運用は、僕ひとりで行っています。
妻はあまり数字にこだわらない性格なので、僕が月に1回、メンテナンスを担当する形にしています。
毎月1日にはスプレッドシートを開いて前月の記録を整理し、次の月の予算を更新します。
この“月初の見直し”が習慣になると、自然と生活のリズムも整ってきました。
さらに、そのタイミングで日用品の注文もまとめて行います。
シート内に「日用品リスト」を作っておき、使い切りそうな時期を関数で予測しています。
たとえば、サランラップは60日ごと、洗剤は90日ごと、といった具合です。
これによって、買い忘れやストック切れがほとんどなくなりました。
まとめ買いをすることで送料も抑えられ、無駄な買い出しの回数も減りました。
スプレッドシートが“家の中の指揮者”に
はじめは単なる数字の表だったスプレッドシートが、今では暮らしの中心にあります。
家計を見返すだけでなく、日用品の管理や出費のスケジュールまでもがここに集約されている。
ひとことで言えば、家の中の“指揮者”のような存在です。
お金を「使う前に考える」習慣がついたことで、以前よりも生活にメリハリが出ました。
そして何より、家計の全体像を“自分の手で把握している”という安心感が大きいです。
どんなに忙しい月でも、月初にシートを開くと少し気持ちが落ち着く。
数字が整っているだけで、心の整理にもつながるのだと感じています。
関数に時間をかけたからこそ得られた安心感
スプレッドシートを使い始めて、もうすぐ1年になります。
最初は正直、かなり大変でした。
「せっかくだから、ちゃんと作り込みたい」と思い、関数をいくつも組み合わせて自動集計を試しました。
金額が入力されたらカテゴリごとに反映されるようにしたり、毎月の固定費と変動費の比率をグラフ化したり。
一度形ができるまでは、何度も深夜まで作業していました。
でも、その時間はまったく無駄ではなかったと思っています。
一度仕組みを作ってしまえば、あとは毎月数字を打ち込むだけ。
数式が自動で整えてくれる安心感は、想像以上に大きいです。
シートを開けば、今月の使えるお金、来月の予算、積み立ての進捗がすぐにわかる。
それだけで、漠然としたお金の不安がぐっと減りました。
数字が整うと心も整う
家計管理をスプレッドシートに切り替えてから、感じた一番の変化は「安心感」です。
以前は、支払いのたびに「今月あとどれくらい使えるんだっけ」と頭の中でざっくり計算していました。
でも今は、数字がすべて見える形で並んでいます。
シートを開けば、自分の暮らしのリズムがそのまま表になっているような感覚です。
数字が整うと、自然と心も整います。
お金の流れが見えることで、焦りや無駄な罪悪感がなくなりました。
何かを買うときも、「これは必要な支出だ」と自信をもって選べるようになりました。
特に猫の医療費や定期購入のフード代のように、生活の中で欠かせない出費は、あらかじめ見込んでおくと心の余裕がまったく違います。
「いずれ出ていくお金」を先に見える化する
もうひとつ大きかったのは、“いずれ出ていくお金”をあらかじめ別枠で貯めるようにしたことです。
帰省費、固定資産税、交通費など、いつか必ず使う支出は年に何回か必ず訪れます。
以前はそのたびに家計が崩れ、「今月だけ赤字」みたいな月ができていました。
でもスプレッドシートに「貯金(使用予定あり)」の項目を設けてからは、その波がなくなりました。
毎月一定額をそこに積み立てておくことで、年末の帰省も固定資産税の支払いも慌てることがありません。
「お金があるかどうか」ではなく、「この目的のために準備してきた」という意識が、支出への不安を和らげてくれます。
いわば、自分の生活の“未来予算表”のような存在です。
妻とのバランス。ひとり管理でも家族の暮らしを支える実感
この家計管理は、基本的に僕ひとりで運用しています。
妻は細かい数字の管理が得意ではないので、そこは僕の担当です。
でもそれを負担とは感じていません。むしろ「僕が整えることで、家の土台を支えている」という実感があります。
月に一度の家計メンテナンスが終わると、なんとなく気持ちがすっきりします。
そしてその表を見ながら、「今月は少し余裕あるね」「旅行資金が増えてきたね」と妻と話す時間も増えました。
お金の話が前向きな会話に変わるだけで、家庭の空気も変わるものだと思います。
家計管理が“安心”という習慣に変わった
スプレッドシートで家計を管理するようになってから、1年が経とうとしています。
最初の数か月は試行錯誤の連続でしたが、今ではそれが完全に日常の一部になりました。
数字を入力する行為が、もはや義務ではなく“安心の確認作業”になっています。
毎月1日、コーヒーを飲みながらシートを開く時間は、少しだけ気持ちを整える儀式のようなものです。
以前は「お金の管理=我慢すること」というイメージがありました。
けれど今はむしろ、家計を整えることで自由度が増したように感じています。
使うところは使い、貯めるところはしっかり貯める。
その判断を数字に基づいてできるのは、とても気持ちがいいことです。
鳥取旅行とマイル運用。お金を「楽しみ」に使う
最近は、家計管理をベースにした“楽しみの使い方”を意識するようになりました。
そのひとつが、妻と計画している鳥取旅行です。
来年には行こうと話していて、そのための旅行資金をスプレッドシートで毎月少しずつ積み立てています。
あわせて、クレジットカードをANAカードに変えました。
支払いを集約し、マイルを貯めて航空券に充てる予定です。
こうした仕組みも、スプレッドシートで管理することで「どのくらい貯まっているか」を視覚的に追えるのが楽しいところです。
数字が“夢の進捗”のように見えるのは、家計管理を続ける大きなモチベーションになっています。
昇給=生活レベルを上げず、資産を増やす方向へ
もうひとつ、この1年で変わったのは「お金の使い方の優先順位」です。
以前は昇給すると、少し良いものを買ったり、外食を増やしたりしていました。
けれど今は、収入が増えたときこそ“貯める力”を強化するタイミングだと思うようになりました。
昇給分は基本的に投資や貯金に回しています。
401KやつみたてNISAも定期的に見直しながら、無理のない範囲で積み上げるようにしています。
家計が整うと、不思議と「もっと稼ぎたい」ではなく「今の生活をより安定させたい」と考えるようになります。
それは数字が自分の暮らしを支えてくれている安心感からくるものかもしれません。
数字で暮らしを支える。スプレッドシートは僕の“第二の家計簿”
スプレッドシートの中には、1年間の僕たちの暮らしが詰まっています。
月ごとの支出、猫の費用、旅行の積立、そして少しずつ増えていく投資の記録。
一見ただの表計算ですが、僕にとっては「これまでの暮らしの軌跡」であり、「これからの計画」でもあります。
家計を整えるというのは、単にお金を貯めることではなく、自分たちの暮らしを設計すること。
数字を通して、安心や余裕、そして楽しみを積み重ねていくことだと思います。
これからもスプレッドシートを開きながら、家族の小さな変化を数字に残していきたいです。
マンションも、猫のいる暮らしも、そのすべてを支える基盤として。

