カメラにハマって得をした話。撮ることで変わった僕の休日と視点

未分類

社会人になってすぐの頃、特に明確な理由があったわけではないのですが、「社会人になったらカメラの一つでも持っておいたほうがいいかな」と思い、キャノンのコンデジを購入しました。
今思えば、どこか“ちゃんとした大人”に憧れていたのだと思います。

買った当初は、旅行や友人との集まりなどで何度か持ち出していましたが、次第に使う機会が減っていき、気づけば押し入れの奥に眠っていました。
撮るのは楽しかったものの、何をどう撮ったらいいのかもわからず、結局「持っている満足感」で終わってしまったように思います。

そんな僕が再びカメラに惹かれたのは、社会人2年目の冬でした。
初めてのボーナスが出たとき、ニコンの一眼レフを思い切って購入したのです。価格はおよそ10万円ほど。
当時は「これだけいいカメラがあれば、一生モノだろう」と思っていました。
“いいモノを持つ”ことへの憧れが強かった時期で、時計や服にも同じようなこだわりを持っていました。

ただ、カメラだけは少し違っていました。
買った瞬間の満足で終わらず、「せっかくだからちゃんと使いこなしたい」という気持ちが芽生えたのです。
スマホでも写真は撮っていましたが、それはあくまで“記録”。
一眼レフを手にした瞬間、写真が“表現”に変わる感覚がありました。

当時はちょうどインスタグラムが流行しはじめた時期で、SNSに自分の写真を投稿する人が増えていました。
「絞り」や「シャッタースピード」といった専門用語もかっこよく聞こえて、写真が上手い人=センスがある人というイメージがありました。
そんな単純な憧れが、僕を少しずつカメラの世界に引き込んでいったのだと思います。

最初はオートモードでしか撮れませんでしたが、徐々にマニュアル設定に挑戦するようになりました。
光の入り方や被写体との距離、角度によって同じシーンでもまったく違う表情を見せてくれる。
その奥深さに気づいてからは、撮影に夢中になっていきました。

この頃から、**「上手く撮りたい」よりも「良い写真を残したい」**という気持ちが強くなっていきました。
休日になると自然と外に出るようになり、街を歩きながらスナップを撮るのが習慣になっていきました。
以前の僕なら寝坊していたような休日の朝も、「今日はどんな光が撮れるだろう」とワクワクしながら家を出るようになりました。

最初に買ったニコンの一眼レフをきっかけに、カメラは僕の生活の一部になっていきました。
そこから数年を経て、機材も少しずつ変わっていきます。

1代目はキャノンのコンデジ。
2代目がニコンの一眼レフ。
そして3代目にソニーのZV-1、4代目が現在使っているソニーのA7Cです。

ZV-1は動画撮影にも強い機種で、当時は「静止画だけでなく映像にも挑戦してみたい」と思って購入しました。
その後A7Cに切り替えたのは、より軽く、日常的に持ち歩けるカメラが欲しかったからです。
フルサイズ機でありながら小型・高画質というバランスが絶妙で、僕にとってまさに“相棒”のような存在になっています。

今では、平日以外はほとんど常にカメラを持ち歩いています。
出かけるときは、財布・鍵・カメラ。この3つがあれば十分という感覚です。
休日に限らず、ちょっとした買い物や散歩でも、気になる光や風景があればすぐシャッターを切ります。

プライベートではポートレートやスナップ撮影が中心ですが、仕事でも活かせる場面が増えました。
デザイン業務の撮影補助として物撮りを担当したり、社員のプロフィール写真を撮影することもあります。
趣味だったカメラが、仕事の一部に自然と溶け込んでいったのは、自分でも意外な展開でした。

撮影時間は、1回あたり2時間ほどが目安です。
それ以上になると集中力が途切れてしまうのですが、その2時間の中でどれだけ“自分らしい瞬間”を撮れるかを意識しています。

撮影後の編集も僕にとっては大切な時間です。
Lightroomを使って色味を整え、明るさやコントラストを微調整します。
編集も2時間ほどかけて仕上げることが多く、まるで“撮る”の延長にあるような感覚です。
特にRAWデータで撮影しているため、編集の幅が広く、自分の感覚に近づけていく作業がとても楽しいです。

レンズは、ツァイスの55mmを最も愛用しています。
描写が柔らかく、被写体の空気感まで写し取るような質感が好きです。
ポートレートにもスナップにも使いやすく、僕の撮影スタイルには欠かせません。
また、40mmの広角レンズもお気に入りで、街中のスナップや少し距離を取りたいときによく使います。

こうして改めて振り返ってみると、撮影も編集も含めて、「写真を撮る」という時間が日常の中にしっかり根づいていることを感じます。
外に出る理由が増えたことも、カメラを始めてからの大きな変化です。
以前は家にこもりがちだった休日も、今では“撮りに行く”ことが楽しみになりました。

カメラにハマってから、最も大きく変わったのは休日の過ごし方です。
もともと出不精な性格で、休日は家でゆっくり過ごすことが多かったのですが、カメラを持つようになってからは、撮りたい光景を探しに外へ出かけるようになりました。

前日の夜が遅かったとしても、朝の光を撮りたくて始発で出かけることもあります。
「撮りたい」と思う気持ちが、眠気よりも勝つのです。
カメラを始める前は考えられなかった行動でした。

また、“見る目”が変わったことも大きな変化です。
通勤途中の街角や夕方の路地裏の光、何気ない人の仕草まで、「この瞬間を残したい」と思えるようになりました。
以前はただ通り過ぎていた景色が、今では一枚の写真になる可能性を秘めて見えるのです。

人の顔を撮るようになってからは、光の入り方や顔の角度、目線の向きなどを自然と意識するようになりました。
こうした観察が、結果的に美意識を磨く時間にもなっています。
「日常をどう切り取るか」を考えることで、普段の生活の中にも小さな“美”を見つけられるようになりました。

意外だったのは、カメラを通じて得られた人とのつながりです。
デザイナーの友人から「プロフィール写真を撮ってほしい」と頼まれるようになり、撮影を引き受けることが増えました。
報酬と呼べるほどの額ではないにしても、自分の写真で誰かに喜んでもらい、少しでもお金をいただけるという経験は大きな自信につながりました。

「自分の作品を評価してもらえる」という感覚は、思っていた以上に嬉しいものです。
仕事でも趣味でもなく、“誰かに必要とされる撮影”ができたとき、初めて自分の中で“撮ること”の意味が変わりました。
それは単なる趣味の延長ではなく、人の役に立てる趣味になった瞬間でもあります。

もちろん、良いことばかりではありません。
カメラを本格的に続けるには、お金と手間がかかるという現実もあります。
RAWデータで撮影するため、データ量は膨大で、ハードディスクをすでに3台も使っています。
ファイルのバックアップ管理も欠かせず、テラバイト単位で整理が必要です。

また、機材の沼も深い世界です。
上を見ればキリがなく、欲を出せばハイエンドモデルや高級レンズが次々に気になります。
ただ、そこで欲望に流されすぎず、**「自分の用途に合ったミドルクラスを選ぶ」**ことが、結果的に長く続けられるコツだと感じています。
今使っているA7Cもまさにそのバランスで、僕にとってちょうど良い選択でした。

今後も、僕は間違いなくカメラを続けていくと思います。
理由はいくつかありますが、その中でも大きいのは、カメラが心のバランスを整えてくれる存在だからです。

僕はもともとHSP気質で、少しの刺激でも疲れてしまうタイプです。
けれどカメラを構えていると、周りの雑音が消えて、目の前の景色だけに集中できます。
ファインダー越しの世界では、時間がゆっくりと流れていくような感覚があるのです。

撮影している瞬間は、まるで“無”になれる。
それが僕にとっては最高のリセット時間になっています。
さらに、撮った写真を見返すことで、「あのときの光、あの空気感、あの人の笑顔」が鮮明によみがえる。
写真は記録であると同時に、記憶を再生する装置でもあるのだと感じています。

また、ポートレート撮影をしていると強く思うのですが、同じ一枚は二度と撮れないという感覚があります。
その日の天気や光、撮る人と撮られる人のコンディションまで、すべてが違う。
そうした再現性のない一瞬を切り取ることに、いつまでも飽きることがありません。
カメラは“飽きない趣味”だと、胸を張って言えます。

そしてもうひとつ、カメラを続けたい理由があります。
それは、人に感謝される趣味であるということです。
旅行先で写真を撮ってあげたり、家族の記念日を残してあげたりするだけで、心から喜ばれる。
誰かの人生の一瞬をきれいに残せることが、僕にとって何よりのやりがいです。

これからカメラを始める人に伝えたいのは、“撮って終わり”にしないことです。
撮った写真はどんどんSNSに載せたり、人に見せたりしたほうがいいと思います。
誰かの反応があることで、自分の撮り方や視点に気づくことが多いからです。

また、撮影だけでなく、編集にもぜひ挑戦してほしいです。
Lightroomなどのソフトで色や光を自分の感覚に合わせて調整していくと、同じ写真でも全く違う印象になります。
そのときは、JPEGではなくRAW撮影をおすすめします。
RAWはデータ量が多く扱いも難しいですが、その分だけ“自分の世界観”を作り込める素材になります。

カメラという趣味は、決して安くはありません。
でも、それ以上に得られるものがあると感じています。
それはお金でも名誉でもなく、日常を丁寧に見つめ直す力です。

これからも僕は、カメラを通して光を探し続けていくつもりです。
その瞬間、その場にしかない“美しい一枚”を撮るために。

タイトルとURLをコピーしました